スタン・ハンセン「『ラリアット』がプロレス技として辞書に載ったりしたら、こんなに光栄なことはないね」
ラリアットの衝撃
――ハンセンさんのように、スーパーヘビー級でありながら、ガンガン動いていく選手の登場は衝撃でしたよ。
ハンセン それは私がアメリカン・フットボール出身であることも影響していると思う。フットボール自体がすごくアグレッシブで、根性が据わっていないとできないスポーツだから、それをうまくプロレスに活かせたんじゃないかな。
――ハンセンさんの必殺技ウエスタン・ラリアットもアメフトから生まれたんですよね?
ハンセン けが人が続出したことで、今はルールで禁止されているけど、自分がやっていた頃、クローズライン(ラリアットのアメリカでの名称)は、みんな当たり前のようにやっていたんだよ。それをプロレスに持ち込んで、フィニッシュホールドとして使ったのは、自分がスタートだったかもしれない。
――ハンセンさんが最初にアメフトからプロレスに持ち込んだからこそ、“元祖”になったわけですか。
ハンセン 私がラリアットを使う前から、ミスター・ババはフライング・ネックブリーカー・ドロップを使っていたし、似たような技はそれ以前からあることはあったんだ。ただ、ウエイトを乗せて、力強く相手を倒すようなやり方は、自分が最初にやるようになったんだよ。
――なるほど。ちなみに、アメリカではラリアットのことをクローズラインと呼びますけど、アメフトでも呼び方は同じなんですか?
ハンセン そう。あれはアメフト用語だね。クローズラインというのは、洗濯物を干す紐のことで、あれに首がひっかかるイメージで。それを私はテキサス出身でカウボーイのイメージで売っていたので、カウボーイが牛をつかまえるために投げる縄=ラリアットと名付けたんだ。