乃木坂46北野日奈子さん、家族・メンバー・スタッフに支えられ本当の強さを手にする
2017年10月、この曲を携えて開催されたアンダーライブ九州シリーズ。私が見に行った大分公演に北野さんの姿はありませんでした。公式サイトには欠席のお知らせが。今でも会場の空気を覚えています。表向きは明るくても、根元をたどれば暗くて重いライブでした。誰かの価値観と評価で決まったポジションで全力を尽くさなければならない使命。そこが自身にとって望まない場所だったとしても…。もし私だったらと考えたとき、その重圧には耐えられません。
同年11月、真夏の全国ツアー2017 FINALの東京ドーム公演を最後に、北野さんは活動休止を選択しました。選択というよりも活動を続けるためには、それ以外の手段がなかったのだと思います。あったとしてもそれは「卒業」という“選択肢B”のボタン。しかし、彼女の居場所を守ってくれたのは家族・メンバー・スタッフの皆さんでした。今までと変わらないそぶりで毎日連絡をくれた相楽伊織さんと、頻繁に直接会ってくれた星野みなみさんの存在が特に大きかったそうです。完全にではありませんが、翌年3月の乃木坂46時間TVで復帰を果たします。そのとき両隣にいたのも相楽さんと星野さんでした。
4期生が加入した頃から心の変化が起きて、後輩たちの「居場所」を守る役割に回った北野さん。そんな彼女がよく使うのが「戦友」「戦う」「倒しに行く」という言葉。メンバーを「戦友」と呼び、目標に突き進むことを「戦い」に例え、大切な人を守るときには「敵を倒しに行く」と言っています。RPGの世界ならば主人公の勇者です。敵に押しつぶされても、あのとき「終了する」のボタンを押さずに「コンテニュー」を選んでくれた勇者ひなこ。周りのサポートを受けて復活した彼女は本当の強さを手にしていました。