たむらぱん(田村歩美)「“その一瞬”に対して焦らないでもいい歌を通してそう感じてくれたらいいなと思ったし彼女たちだから伝えられると思いました」<私立恵比寿中学の音楽のすべて>

たむらぱん(田村歩美)

私立恵比寿中学のあの名曲は、どのように誕生したのか? 不安定な歌唱力を自称していたエビ中は、なぜ実力派ボーカリスト集団に成長したのか? 作詞・作曲・編曲家陣に話を聞くことで、その正体を言語化するために始まった当連載。今回は、『大人はわかってくれない』、『感情電車』、『イエローライト』など、メジャーデビュー当時より数々の代表曲を提供しているたむらぱん(田村歩美)に語ってもらった。

エビ中の変わらない「芯」

――田村さんが最初に手がけたエビ中の楽曲は、『結果オーライ』(’12年5月リリースのメジャーデビューシングル『仮契約のシンデレラ』サブカル盤に収録)ですが、のちにエビ中の代表曲の一つになる『大人はわかってくれない』の前日譚のような楽曲です。どのようなステップで作っていったんでしょうか?

たむらぱん メンバーと直接話す機会はなかったんですけど、ライブを1回観させていただいて書いたんですよね。当時のメンバーは10代前半から半ばですけど、「どうして私たちは、この世の中でそんなにまでしてしっかりと立っていなければいけないのか?」みたいな少女たちの疑問というか不満を勝手に想像しながら作っていったと思います。あの頃から今のエビ中にも一貫して存在してる芯というか、核みたいなものがあって、それを漠然と感じて、勝手に見つけて、ふくらませて。あと、時代に乗せるような書き方も好きなので、時代も重ねて物語のレイヤーを作ってという感じでしたかね。

――「今も変わらない芯の部分」をかみ砕くと、どういう言い方になります?

たむらぱん 「負けない」って感じですかね。それはたぶん外に向かってもあるかもしれないし、何より自分自身に対しても負けないという存在感を感じる部分というか。その芯が、本人たちの個性とも相まってエビ中が聴く人とダイレクトにつながる部分で、だからこそ聴いてる人も同じように強くなれる気持ちになれるのかなっていう気がします。

――レコーディングされた『結果オーライ』には、どんな印象を持ちましたか?

たむらぱん 彼女たちが歌うことで完成されたなって感じました。「完成された」と感じたのは、ピッチなどの音楽的な部分ではなく、感情の部分です。この曲のこの感情表現は彼女たちにしかできないことだなって思ったし、曲を提供することの面白さもそこですごく感じました。その人の歌で一気に変化するというか、ある形に完成した音楽がもっと違う最終形になるみたいな。

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