2022-02-04 11:30

田原総一朗『堂々と老いる』疲れたっていいんですよ好きなことをしているんだから

『朝生』が生んだ熱気の理由

――もともと田原さんは小説家志望だったんですよね。それを厳しく突き放され、あきらめたと聞きます。

田原 小説を書いては新聞社、出版社に応募していました。でも、全部ダメ。箸にも棒にもかからない。あるとき、こう言われた。「文才のある人間が頑張るのは努力、ない人間が頑張るのは徒労だ」。僕は後者である、と。打ちのめされていると、石原慎太郎さんが『太陽の季節』を発表した。読んでみると、実弟・裕次郎さんのことを書いているから、すさまじいリアリティがあった。僕は彼女もいない、恋愛をしたこともないのに恋愛小説を書いていたから、比べてみるとまったくリアリティがないことに気が付いた。ショックだった。追い打ちをかけるように、数カ月後には大江健三郎さんが『飼育』を発表した。これを読んで、再び大きなショックを受けた。勝てるわけがない。それで作家はあきらめました。出発点が、コンプレックスから始まっているんです(笑)。そういった背景もあって、東京12チャンネルでは他局ができないようなものを作ってやろうと思った。フィクションは向いてない、だったらドキュメント。ジャーナリストとしてでしか生きる道がないとも思っていた。

――素朴な疑問なのですが、さすがに田原さんも疲れはしますよね?

田原 疲れたっていいんですよ。好きなことをしているんだから。「その歳で『朝生』をやるのは、体に良くないんじゃないですか?」とよく聞かれるんですけど、体に悪くてもいいじゃないかって。僕の理想は、『朝生』放送中に急に田原が静かになった――よく見たら死んでいた! こうなりたい(笑)。プロデューサーは、番組終了後にしてくださいって言うんだけど、僕は番組中にそうなりたい。

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING17:30更新

  1. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  2. 【BUBKA2月号】R-指定「Rの異常な愛情」―或る男の日本語ラップについての妄想―DABOの革命前夜(前編) 時代に選ばれた男“ Mr.FUDATZKEE”
  3. 【追悼】酸欠少女さユりが私たちに残したもの
  4. R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代
  5. SKE48須田亜香里×山本昌「笑顔にスランプはない!」<BUBKAアーカイブ特別編>
  6. 【BUBKA12月号】表紙は日向坂46の3期生・上村ひなの×髙橋未来虹×森本茉莉×山口陽世!発売中
  7. 乃木坂46秋元真夏「不安よりも『いまはまだ卒業できない』という状況になったことのほうが私にはうれしくて アイドルでなくなることが一番困ることなんです」
  8. 【昇天】ドラゴンズ万歳! 金丸獲得だけじゃない「満点超え」ドラフトの理由とは? 青味噌のみそみそダイアリー #4
  9. 大注目のユニットTHE ORCHESTRA TOKYO(オケトー)、ワンマンソールドアウト「回数を重ねるごとにお客さんが増えていく手応え」
  10. 乃木坂46弓木奈於、B級ニュースで話題の“ナカジマさん”「ナカジマさんっていう名前じゃなかった」
  1. 「なんてかわいいの!」櫻坂46中嶋優月と谷口愛季、キュートなダウン姿を披露!山﨑天はなかやまきんに君と夢の共演
  2. 響き渡る“乃木坂46”&“葉月”コール!向井葉月から奥田いろはへ、涙の抱擁と共に受け継がれる「乃木坂らしさ」
  3. 卒業控える日向坂46東村芽依、“門出”にふさわしい晴れやかな表情の表紙カット解禁
  4. 乃木坂46「36thSGアンダーライブ」完遂!全国5都市を巡るZeppツアーに、座長の奥田いろは「何も後悔はありません」
  5. 乃木坂46 岩本蓮加写真集『いたずらな風』に熱狂する菅原咲月だが、誘われたご飯は華麗にスルー!?
  6. 川口春奈『JJ』表紙風広告に登場…サントリー×光文社の異色のコラボが実現
  7. 「なにわ男子」大西流星、シャンプーのCM初出演!かわいらしい寝顔も披露
  8. 日向坂46 の逆襲が始まる東京ドーム公演に注目せよ!明暗分かれた『紅白』出場者から考える坂道3グループの現在地
  9. 櫻坂46全国ツアー最終東京ドーム公演、2日間で11万人動員!海外からもBuddiesが駆けつける
  10. 日向坂46 松田好花がオードリー若林の“お前たち”呼びに猛抗議⁉「松田は印象操作が得意」に対し、「論争を終わらせる気はない」