満島ひかりの“キラーパス”を黒柳徹子が真正面から受け止める
国民的長寿番組『徹子の部屋』。この日のゲストは女優の満島ひかりだった。
黒柳徹子と満島ひかりにはつながりがある。2011年のNHK朝ドラ『おひさま』(ヒロイン:井上真央)に出演していた満島演じる筒井育子の晩年を徹子が演じている。その直前、満島が『徹子の部屋』に出演し、徹子に演じてもらうことを直談判している。その後、徹子が出まくる『トットてれび』というNHKの連ドラ(2016年)に満島が出演。玉ねぎ頭で徹子役を演じた。
そればかりか、2人きりで寿司やイタリアンに行ったり、満島の出演する舞台を徹子が2度ほど観劇に訪れたりもしているというから、意外にもツーカーの間柄なのだ。トークは意外なほどに弾み、祖父を探しにニューヨークへ行った話や、徹子が55年前に『サンダーバード』で吹き替えをしたレディ・ペネロープの声を満島が引き継いだという番宣を経て、番組はあっという間にエンディングを迎える。
徹子「あと、何か質問あります?」
満島「なんだろ……最近、好きな人いますか?」
すでにテーマ曲がバックに流れ、あと数十秒で番組が終了するタイミングで、満島はシュートを仕掛けた。満島は笑顔ではあったが、プライベートにかなり踏み込んだこの質問に徹子はどんな反応をするのだろうという、いたずらっぽさも含まれていたように思う。さあ、徹子、どう答える?
徹子「あ、好きな人ね……ちょっとね、好きな人いるんだけど、大きい声では言えない(笑)」
満島「あははは!」
徹子「あっはっは! 今度教えてあげます」
徹子は逃げなかった。「好きな人はいる」と明言した。この質問ができたのは、プライベートでも交流があり、信頼関係があるからこそ。だが、テレビ番組としてただでは終わらせないという満島のキラーな一面が垣間見えた。それと同時に、徹子もプロフェッショナルな放送人として正面から受けて立った。両者のガチが見えた、見事な一戦だった。それにしても、徹子の好きな人って誰なんだろう?
文●堀越日出夫