NMB48組閣…“3チーム制”がもたらすもの
NMB48は結成11周年を超えたグループだが、これまでも新しいことに挑んできた。劇場公演終了後、メンバーがファンに肩たたきをして感謝の意を表したり、「ポスト山田菜々オーディション」を開催したり……。他のグループに比べると発想が自由だ。木下百花、吉田朱里、渋谷凪咲といったアクの強いメンバーを生み出しやすい土壌がそもそもある。
ここで考えてみる。なぜ“組閣”してわずか1年で、元の3チーム制に戻したのか?
ひとつ大きい理由として挙げられるのは、コロナ禍の影響だ。2020年の春以降、大人数で劇場公演に立てないという制限が生まれた。そのために16人でステージに立つスタイルの劇場公演が打てなくなり、人数を減らすなどして対策を講じてきた。しかし、コロナ禍が長引いたこともあって、16人で立つというこだわりを捨てた結果、7~8人のユニットを6つ作るという発想が生まれたのだろう。前進するために何をすべきかを考えた末の結論だと思われる。
昨年春、そのユニット同士が得点を競う「NAMBATTLE」というイベントが開催されたのだが、これには大きな副産物があった。今まで交流がなかった先輩と後輩に関係性が生まれたのだ。合格して間もない7期生は、10年選手の白間美瑠から指導を受ける機会を得た。研究生が1期生から直接、しかも長時間にわたって交流を持つことは、従来の3チーム制ではなかなかないことだった。チームが違うとスケジュールも違うから、同じグループとはいえあまり顔を合わせないのだ。どの世界でも、入りたての新人はグループの中心選手においそれと話しかけられるもんじゃない。