宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
――前田さんの家だけでなく、佐山さんの家にも居候していたんですか!(笑)。
宮戸 そうなんです。ただ、佐山先生はやさしい方ですけど、やはり四六時中一緒というのは辛くなってきて。僕が夜のクラスを持っているときは、家に帰るのが遅くなってご迷惑をかけることになるという口実で、ジムに泊まるようになったんですよ。そしたらある日、ジムに二段ベッドが届いて。「ぼくらのために買ってくれたのかな」と思ってたんですけど、じつは佐山先生の自分用だったんです。一人で寂しかったのかわかりませんけど、結局、僕らと一緒にジムに寝泊りするようになっちゃって、「これじゃあ、佐山先生の家を出た意味がないじゃないか」っていうような状況でしたね(笑)。
――気が休まるときがなかったわけですね(笑)。その後、UWF内で佐山さんと前田さんの関係が悪化していくのは、近くで見ていてわかりましたか?
宮戸 あれは、いつからなんですかね。UWFでも基本、ずっと仲は良かったはずなんですけど、UWF内部に佐山先生を外したいという人たちがいて、僕が思うにその思惑のなかで、いろんな吹き込みがあって、仲を悪くさせられてしまったというのが、半分以上の理由だった気がしますけどね。
――フロントスタッフの大半は、いつの間にか反佐山派になっていたわけですよね。
宮戸 なんでそうなっちゃったのか、僕はわかりませんけどね。
――そこから宮戸さんは、前田さんと佐山さんの板挟みのような感じになるわけですか?
宮戸 いや、板挟みっていうんじゃないけど、僕はもともと前田さんに連れられて、佐山先生のところに来た人間ですから。おふたりが対立するような状況になって以降、佐山先生からはそういう目線で見られているのをちょっと感じてしまって、その心苦しさっていうのはありましたね。