乃木坂46佐藤璃果「田舎から出て、違った世界を見てみたいなっていう気持ちはずっとありました」
――そんな人が、アイドルのオーディションを受けるのは勇気がいりそうです。
佐藤 締め切りの最終日まで受けることを迷っていました。でも、チャンスを与えられることって本当になかなかないことだと思うんです。受けたくても受けられない人もいるだろうし。チャンスをもらったらやっぱり挑戦してみた方がいいのかなと思って。それと、オーディションでいろんな子と話す機会があって、「私はこのオーディションに人生を賭けてるんだ」っていう子や「これがなくなったら人生どうしよう」みたいな子とかいて。
――みんな覚悟を持ってオーディションに臨んでいるんですね。
佐藤 そういう子たちを見て、チャンスが与えられることは当たり前じゃないんだなって思いました。
――合格から約1年間は坂道研修生として過ごしますが、配属先が決まるまでどんな気持ちで過ごしていましたか?
佐藤 自分たちはこれからどうなるんだろう?って不安な気持ちもあったし、不思議な感覚もありました。地元にいる自分と東京でレッスンを受けている自分がいて、それがずっと続いてたので。
――その時点ではアイドルになった実感もまだないですもんね。
佐藤 全然なかったです。あと、いろんな人に申し訳ない気持ちがありました。オーディションに受かってよろこんでくれた地元の人や、仲良かった子がアルバムとか作ってくれたのに、もし活動できなかったら申し訳ないなって。世間が狭いので、ケーキ屋さんとか病院でも「おめでとう!」って言われるんですけど、今の自分がどういう立場なのかもわからないので、素直によろこんでいいのかもわからなくて……。