【BUBKA1月号】短期集中連載「DIVE INTO EBICHU MUSIC」#4 石崎ひゅーい
――安本さんは、自身の生誕ライブ(’19年7月1日に開催)で『花瓶の花』をカバーしていました。
石崎 その映像も観させていただいて。
――そこから楽曲制作に取り掛かるにあたって、どんなアプローチを?
石崎 楽曲制作に取り掛かる前に、エビ中のことを調べたりして、過去に行ったライブも思い起こしていたりしたときに、エビ中って僕が昔から思い描いていたアイドルとは少し違うなって思ったんですよね。アイドルって虚像というか、少しファンタジーというか、煌びやかなものを表現するものだと思っていたんですけど、エビ中を調べていたり、観ていたりするときに感じることって、すごくヒリヒリしているものだったんです。とても人間的で、ありのままにエビ中のことが観えました。だから、例えば年齢とかは僕より全然若い子たちだし、性別も違うしって普通なら考えて楽曲を作ると思うんですけど、そういうことは何も考えないで、本当に自分の作品を作っているという感覚で作りましたね。その感覚を持ちながら、詞曲をほぼ同時進行で。
――歌詞には、気持ちにグサッと突き刺さってくるフレーズが多くあります。どういったイメージから、これらのフレーズが生まれてきたんでしょうか?
石崎 大きなテーマとしては、葛藤みたいなことだと思います。彼女たちはそれを意図してないんですけど、なぜか自分たちの周りで大変なことがたくさん起きる。女の子だし、悲劇のヒロインになってしまうかもしれないんですけど、そこは彼女たちの力やセンスで、悲劇のヒロインじゃなくて悲劇に立ち向かうヒーローみたいな存在になっている。エビ中を観てると、そういうことを感じるんですけど、そこですかね。そこが、歌詞を書く時に一番表現したいと思ったところですね。