【BUBKA12月号】なんてったってキヨハラ第15回「キヨマーとニッポンの頂点」
そんなマッドなライバルを横目に90年球宴MVPに輝いた清原和博は、球界の真夏の果実を独り占めしていた。8月も10本塁打の固め打ちで月間MVPを受賞。ホームラン王のタイトルを争うオリックスの石嶺和彦や藤井康雄からも、「アラは少なく、どのコースにも対応できて、右方向に打てる。こんないいバッターいませんよ(石嶺)」とか、「清原はモノが違う。体格も違うし、光り輝き、目立ち、そういう星の下に生まれているんだなあと痛感させられます(藤井)」なんて絶賛の嵐。
『週刊ベースボール』の場外ホーマー特集では、他チームのエースが語るキヨマー評が掲載され、ロッテの大ベテラン村田兆治は「打とう、遠くへ飛ばそうと常に追求している執念が見られる。近い将来必ずタイトルを三つ取れるバッターだと思っている。昔の門田(博光)さんがやはりそういう感じがあったが、間違いなし、すごいバッターだよ」と賛辞を贈れば、8月5日の西武球場で背番号3に史上最年少(22歳11カ月)の通算150号アーチを献上したスーパールーキー野茂英雄は「清原さんは別格ですね。あの人は飛距離が違いますよ。(自身の成城工業二年時に)夏の大阪大会で完全試合をしているというのに、スポーツ紙を広げてみると、スペースをとった記事はPL学園のKKコンビ、桑田さんと清原さんのことばかりでした。ボクなんか無名で、マスコミは相手にしてくれなかった」なんて1つ上の怪物を仰ぎ見る。